2016年01月13日

正論より

小堀桂一郎先生の論説が産経新聞正論に掲載されましたのでここにご紹介いたします。

【年頭にあたり 、教育再建こそ戦後克服の王道だ】

 新年の年頭に当つての感想を問はれた場合、言論人諸氏の多くは本年邦家にとつての最大にして緊要の課題は何か、といふ様な問ひを思ふであらう。筆者の場合も同じ事であるが、只そこで『唯一最大』とまで規定できる様な緊急課題の選定には本年は輿論の一致が無いであらうとの思ひが強い。
◆安倍長期政権で憲法改正を
 その様な観測を抱くのは、一つには国家主権の回復以来数十年に亙つて確かに国民の悲願であり続けた自主憲法制定の要求が、その実現に向けての研究が精密化し、議論も十分に煮詰つて来た昨年の戦後70年の記念年に至つて、却つてそれが如何に難事業であるかといふ現実が誰の眼にも映る様になつて来たからである。それが大変な難事業であると解つて来た、その事自体が又新たにあの占領軍による急造とその採択強制が我が国にとつて如何に禍深き呪詛であつたかを痛感させられるのだが、これも亦、今更嗟嘆を繰り返しても詮のない話である。敗戦といふ国家的挫折が国民に負はせた苛酷な運命であると認識するより他ない。
 そこで少し発想を変へてみる。憲法の制定が本年の内に困難であるとすれば、兎も角もこの大事を托せる政治家は現に安倍晋三総理以外に見当らないのであるから、安倍氏の自民党総裁としての任期を大幅に延長し憲法制定が実現を見る迄の長期政権を委任する事である。この事ならば総裁の任期についての党規を改正すれば良いわけである。それは憲法の改正よりは遙かに容易な事で、唯国政上の必要からといふ大義を党員の大半が承認すればすむ事である。
 この様にして得た余裕で、では何を本年の喫緊の課題とするか。此処でも人により諸説が生じるであらうが、筆者の意見は『教育の再建』である。近年筆者の身近の環境である学界教育界を含めて、我が国の社会の幾つかの分野に於ける為された事業に対する信頼の崩壊といふ現象が著しく眼につく。

◆高度信頼社会の崩壊防げ
 建設事業に於いての手抜き工事と其処に生じる危険の狡猾な隠蔽、大企業の経理の不正、限られた或る地方での事だが鉄道の保安体制の放慢、司法界での法の道理の無視、そして学界に於いては研究成果の学問的正確への信頼が保証できなかつた等々、曽ての我が国に実現してゐた、『人と人との間の信義が第一』といふ道徳原則に遂に罅が入り始めたのではないか、との危惧を覚える昨今である。
 個々の症例についての原因の分析に言及してゐる余裕は無いし、又現に確乎不動の信頼を保持してゐる事業も多々在ることを知つてはゐるが、その具体例を挙げる紙幅もない。只、本来我が国が世界に誇るべき文明の精華として有してゐた高度信頼社会が崩壊の萌しを見せてゐることは確かであり、そしてその原因は一に懸かつて『戦後教育の完全な失敗』にある。
 この失敗は然し『全面的』なといふ訳ではない。もし教育が全面的に崩潰したと見るならば、戦後日本のこのあらゆる領域に亙つての繁栄、殆どの都市が廃墟と化してしまつたあの荒野からの逞しい再生ぶり、殊に輓近のノーベル賞学術部門での受賞者の続出といふ学問的充実の成果が説明できなくなる。この多くの成功にも拘らず、我々は邦家の将来に最早希望が持てないといふ衰頽現象を到る処に発見して暗然となる。
 この明暗二つの面の併在は、たぶん占領期以前の教育の残響と、戦後の現状破壊教育の凶悖との共存乃至競合が続いてゐたといふ状況から来るものである。教育の効果は制度的に見れば善くも悪しくも何十年といふ長い尺度で測らなければ現象として捉へる事はできないものだからである。
であるからこそ戦後教育なるものの『原理的』失敗を正すには、今後何十年を必要とするかわからない。今直ぐにも取掛らなくては手遅れの症状が悪化するばかりだ。事は急を要する。『戦後体制からの脱却』といふ目下の国民的課題への第一の着手は『教育の再建』といふ事業でなければならない。


◆国語重視と基礎学の充実を
 その具体例を二つだけ挙げておく。初等中等教育に於いては国語教育の重視である。大正、昭和期の国語教科書の調査は現に容易な作業であるが、それを実施してみれば、当時は国語読本の入念な編集を通じて、国語教育が歴史・道徳・公民の教科を兼ねる様に工夫されてゐた実体が良く判る筈である。同時に、動機付けの薄弱な、小学校児童に向けての英語教育等といふ目論見がどんなに愚かしい発想であるかも判るであらう。
 第二は大学教育に於ける基礎学の充実である。この目的を達するために、基礎学を志す若手研究者達を大切に育てる事、殊に教育研究職が将来性の点で魅力ある職種である事に制度的な保証を与へる施策が眼目となる。迂遠な基礎工事である事は已むを得ないが、50年も経てばその効果は必ず現れ、日本の国民的繁栄の動力源としての面目を発揮するであらう。

(東京大学名誉教授・小堀桂一郎)



先日、画会(昇龍會)の新年会には、
例年の様に小堀桂一郎にお出まし戴いて
歴史画についての新たな視点から
御講義を戴きましたが、
日本の文化は古代から続く
日本人のアイデンティティーに依るものであり
世界に比類無きものであるとの御高察を述べておられ
いつもながらその論点の明確さに一驚いたしました。










posted by 絵師天山 at 00:22| Comment(0) | 伊勢神宮奉納記念展

2016年01月02日

神宮徴古館リニューアル


先の第62回伊勢神宮式年遷宮を記念して
【日本神代絵巻】を描き、奉納させていただきましたが、
20メートルを超える大作絵巻を収蔵してくださっているのが
伊勢神宮の神宮徴古館。


明治42年創建のこの施設が耐震工事を伴うリニューアルを終え、新たに開館しました。






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『お伊勢さんの博物館』として親しまれている
神宮徴古館は外宮と内宮のほぼ中間地点、
倉田山とよばれる緑豊かな丘陵にあります。


一帯は皇學館大學はじめ市内の高校などが点在する文教地区で、
天照大神様を伊勢へ導かれた倭姫命を御まつりする
皇大神宮別宮倭姫宮のそばには、
神宮徴古館、農業館、神宮美術館が集まっているのです。


一生に一度は伊勢神宮にご参拝したい・・のは
誰でも・・・日本人の通有性。
だが、さらに足を延ばして数多ある別宮詣りとか、
徴古館、農業館などの施設を訪れる人は・・・・なかなか。

広大な伊勢神宮の全てを味わう事はとても大変ですけれど
そんな余裕が欲しいもの・・・
勿論おかげ横丁の美食も見逃せません・・・


神宮徴古館は
『歴史と文化の総合博物館』として
≪神苑会≫の企画により
明治42年9月29日に日本最初の私立博物館として創設されました。


ルネッサンス式の建物は、当時の宮廷建築の第一人者、片山東熊(かたやまとうくま)の設計。

≪神苑会≫は、神宮の神域に民家が接近し、火災等のおそれも多くなった明治19年に、神苑の清浄と美観を守るとともに、博物館などの文化施設の開設を目的に発足。明治22年には有栖川宮幟仁親王殿下(ありすがわのみやたるひとしんのう)を初代総裁にいただき、明治天皇の御手許金御下賜を始め、全国有志の協賛を得て、国家的な規模で神苑整備事業を推進。明治44年事業目的を完遂して解散しました。

明治44年4月から神宮に移管された徴古館は、お伊勢さんの博物館として親しまれてきましたが、昭和20年の戦災により建物と収蔵品の大部分を焼失。昭和28年の第59回式年遷宮を記念して、外壁はそのままに、二階建てに改装、以来、神宮式年遷宮で大御神に奉られた御装束神宝をはじめ、国の重要文化財11点を含む、歴史考古美術工芸など一万三千点を収蔵展示。
天照大御神を歴代天皇がおまつりされてこられた由緒により、皇室との深い関わりを伝える資料も収蔵されて来たのです。





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         (リニューアル前の外観)




徴古館の向かいにある神宮美術館の庭園や辺りの苑地も整備され『倭姫文化の森』と名付けて、遊歩道など四季折々の美しさが期待されます。初詣には最高のコース!!






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           オープニング式典





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          昨年冬、遷宮が行われたばかりの倭姫宮






posted by 絵師天山 at 02:00| Comment(2) | 伊勢神宮奉納記念展

2015年03月01日

続いている式年遷宮


引き続き斎行されている・・

月読宮、月読荒御魂宮、伊佐奈岐宮、伊佐奈彌宮、
・・・等々
十二所別宮の遷宮祭が執り行われました。

どこまでも奥が深いのが伊勢神宮・・・

   


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    御戸祭(みとさい)  伊佐奈岐宮




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     御白石持行事  お祓いを受ける奉献団員




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     御船代奉納式 月読宮




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    御白石持行事 神域に運びこむ




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    洗清  瀧原竝宮(たきはらのならびのみや)




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    杵築祭(こつきさい) 伊佐奈彌宮




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     祭員列立  伊佐奈岐宮




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     参進  月読宮




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     忌物奉埋(いみものほうまい) 新殿床下に忌物を奉埋する





  






posted by 絵師天山 at 01:16| Comment(0) | 伊勢神宮奉納記念展

2015年02月19日

続いている式年遷宮

伊勢神宮式年遷宮のハイライトは
平成25年10月2日夜に執り行われた
内宮での、遷御の儀

次いで10月5日には、外宮で

     


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大変ありがたいことに、奉拝を許されて
生涯の思い出にさせていただきました。





その後も第62回伊勢神宮式年遷宮は
引き続き斎行されており、
平成26年度には、
月読宮、月読荒御魂宮、伊佐奈岐宮、伊佐奈彌宮、
・・・等々
十二所別宮の遷宮祭が執り行われているのです。




       

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        瀧原宮、遷御の儀





20年に一度の御遷宮でありますが、
全125社すべての遷御が済むのには、
まだ、これから・・・

内宮、外宮両社の遷御を中心にして、
前後、長い期間に渡って斎行されてゆきます。






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            月読宮 遷御
            祭員列立 遷御を前に大宮司以下祭員、斎館前庭に列立





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           月読宮 遷御
           神儀が新しい神宝と共に新宮へと渡御される





     
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           月読宮 遷御
           御神体が新宮に入御された後、御扉は閉ざされる





・・・・・
すべての遷御が終われば、
今度は、次なる、
第63回式年遷宮に向けての準備が始まるのです。





悠久の歴史を刻む・・






          




posted by 絵師天山 at 13:00| Comment(4) | 伊勢神宮奉納記念展

2014年09月25日

神宮への奉納


昨年開催された第62回伊勢神宮式年遷宮記念展は、奉納絵巻をメインにし、
和歌を題材にした新しいスタイルの作品で構成しました。

歴史画といわれる絵画が流行した時代もありましたが、今日では稀な中・・・
私は人物画を追究する一つの方法として、和歌を媒体にして歴史画を描く事に夢中になっているところです。


昨日の記事で紹介しました“平野啓子さんによる語り”の、背景として用いられるのはその内の5点。
トルコやドイツでも講演会がひらかれるそうで、フリーアナウンサー=語り部・・・
として平野さんは日本文化を国内外に紹介する活動を続けておられます。

平野さんばかりでなく、日本文化の真髄を求めている方々から、この一年、様々に真摯な反響をいただきました。

ギャラリートークでも、歴史の真実とか、和歌について、古事記絵巻制作のお話とともにさせていただき、そのことが、自身の心情を深めてゆくステップにもなったので、
精魂込めて制作した奉納絵巻は、文字通り私にとってのライフワークになり、又、なりつつあります。




          
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神宮への奉納も無事済ませ、さらなる取り組みを本格化させねば・・と望んでおります・・・





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【日本神代絵巻】奉納 
神宮司庁文化部長 河合真如氏から
大宮司鷹司尚武さまよりの感謝状を戴きました



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始めの部分を広げて文化部長河合氏に解説




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神宮司庁への奉納前に
陰陽師舊事希軍(くじまれとき)師による
浄祓いの儀を執り行いました。





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          神宮徴古館前で河合文化部長と




古事記の神話の時代から続けられてきた日本文化の神髄に
ほんの少しでも近づけたら幸いです。










posted by 絵師天山 at 05:00| Comment(0) | 伊勢神宮奉納記念展

2014年02月18日

奉納記念展、出品作あれこれ 続続


 

  続いて、色紙作品を・・・


 夏静か


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春虹
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秋の空

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黎明

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月待ち

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稲田姫

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惜春

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夏の終わりに

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錦秋

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雲去来

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秋の水辺


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銀河  

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春朧ろ

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posted by 絵師天山 at 17:12| Comment(0) | 伊勢神宮奉納記念展

奉納記念展、出品作あれこれ 続


 短冊に描いた和歌の世界をもっと・・・、

お楽しみいただきましょう。

画像は小さいですが、クリック拡大します。



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  和歌世界の絵画化はホント楽しい・・・・








posted by 絵師天山 at 16:49| Comment(0) | 伊勢神宮奉納記念展

奉納記念展、出品作あれこれ


和歌が奏でる日本の物語

と副題いたしました、この度の個展。

もちろんメインは【日本神代絵巻】の奉納記念でありますが・・・

和歌から題材をとった歴史画も並びました。


和歌には秘められた真実が・・・、

日本の精神史そのもの、であり、

日本民族の心の表出であります。

今日のツイッター文化もその元は、和歌から・・・

各時代の代表的歌人を採り上げて、

もっとも端的にまとめられたのが、小倉百人一首。

選ばれし100名の歌人すべてを小さなカード色紙に描きつくしました。

原寸は、縦9センチ横6センチ・・・手のひらサイズ!





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 清少納言 (せいしょうなごん)



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 伊勢  (いせ)



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 権中納言敦忠  (ごんちゅうなごんあつただ)



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 右大将道綱母  (うだいしょうみちつなのはは)



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 赤染衛門  (あかぞめえもん)




etc・・・・・


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草木染めの美しい組紐に桐の箱・・・・

雅なケース入りです。



短冊も桐箱に納めてみました。


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これは、6号。額装作品・・・・・【小野の小町】



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人の概念は人により違っているので、背中だけ楽しむのが小野小町に対する礼儀です。







posted by 絵師天山 at 02:03| Comment(0) | 伊勢神宮奉納記念展

2014年02月15日

続続続続 松山展ギャラリートーク

絵絹は岐阜の業者から仕入れました。

今はブラジル産が、主流とか、・・・・

現代は、国産の絹流通は、ほぼ崩壊しているそうです。

桑畑すら稀になった・・・・現代。

富国強兵・・・として、国民一丸となっていた頃は、

絹が日本を支える大切な産業でしたが



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 梱包を解いたマッサラな絵絹


絹枠に張り込められた絹に地塗りを施します。

胡粉(ごふん)という基本中の基本である代表的なる日本画絵の具

カキの貝殻や、ホタテの貝殻を原料としていて、

非常に美しい純白が得られるのです。

これを地塗りに施すと、上から重ねる絵の具の発色も美しい!



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  全体に胡粉を塗り


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  刷毛で伸ばす  厚塗りは禁物・・・


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  自然乾燥します・・・

  ドライヤーなどで強制的に乾かすなんてもってのほか!!

  絵の具はデリケート・・・最大限に絵の具の美しさを引き出す・・細心の工夫が!!



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  墨をぼかし入れて・・・


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  虹の七色をぼかし加えて・・・


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刷毛による絹ずれの音を、心地よく聞きながら・・・

日本神代絵巻冒頭の部分が・・・今、目の前で、・・・・

創意・・・し、

出来つつあります・・・・



伊邪那岐、伊邪那美、陰陽二神を描き入れ・・・

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工程を何度も何度も、重ね・・・・・・丹念に描写を仕上げ・・・


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慎重に、深く深く・・・じわじわ・・・・全体の表現の調子を・・・上げてゆきます。


まるで、見えない神霊に導かれる様な・・・・

不思議な不思議な

味わったことのない感覚、・・・リアルに・・・・。

描かされている???

ホントに私が・・・描いたの???




今まで存在しない古事記絵巻・・・・・

今、目の前で、現じ・・・・・・・


悠久の日本歴史が・・・ここに・・・・具現???

超、超、超、・・・・

・・・

私であって私でない・・・・

不思議としか言いようのない感覚・・・

描かされているかのような

特別!!!!、極まる、・・・・気分・・・・



ホントに日本って凄い!!!!!!








古事記を絵巻物にした人がかつては居たのではないかと、

思われますが、実際には、現在、一つも残っていません。

神代、・・・に始まって、膨大なる日本歴史そのものでありますから

一画家の手に負えるようなボリュームでなく、

茫漠として、底知れない深さ、広さがあり、取りとめがないからでしょうか??


神代のおとぎ話・・・と、決めつけられない間口の広さ、深さ、を持っている。


少なくとも我々日本人は、この世界にたった一つの古事記というものを

ありがたくも、畏くも・・・・戴いている。

その、稀なる尊さ・・・・

古事記を深く味わって・・・・未来を紡ぐ・・・




日本の未来は、国民の古事記への理解の深さにかかっている、と言えます。


日本という比類ない国家に活かされていること・・・への認識



日本の悠久の歴史、と、現在、とは、

式年遷宮よって、直に!!! 繋がっているのです!!








★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★





これからも、後の世の人々が、この日本と言う不思議な国のあり様を

思い起こす契機となるような、絵画作品を産んで行けたら・・・

と心から、願っています。




本日は、お寒い中、御参集御高覧頂きまして、本当にありがとうございました。








posted by 絵師天山 at 17:22| Comment(0) | 伊勢神宮奉納記念展

2014年02月14日

続続続 松山展ギャラリートーク

松山展ギャラリートーク 続けます


第62回伊勢神宮式年遷宮は、昨年10月初旬の遷御の儀がそのハイライトですが

実は、内宮と外宮のほかに全部で125社で成り立っているのが伊勢神宮ですから

125社全部の建て替えが終わるのはまだ8年も先

それが終われば、また次の遷宮が待っています。

連綿と続けられてきたことに奇跡的な意味があるんですね。




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 内宮遷御の儀直後 

 宇治橋のたもとに真新しくこの表示が・・・・出されました

  クリックしてみてください




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 斎主代理 黒田清子さま  

御老齢の池田厚子さまに代わられて

遷御の儀前後の儀式すべてにお出ましになられました





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 外宮 遷御の儀 当日・・・夜8時から・・準備は整いました・・・



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 外宮 遷御の儀 当日、

 こちらをお通りになられるんです・・・・豊受大神様が

 私も・・特別奉拝させていただきました・・・

 神秘の極みです・・・勿論、生涯忘れ得ぬ感動でありました。



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 外宮 遷御の儀 翌朝 御神宝読合の儀




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 御神宝読合の儀  

 真新しい漆塗りの唐櫃(からびつ)がきれいに並びました


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 ちょこっと・・・新宮が見えます!!





なんと!!!

今の法律で言うとオウム真理教も伊勢神宮も

宗教法人としては同じ扱い! 同等です。

本来、神道は宗教ではありませんが

アメリカ始め連合国の陰謀に・・・染め込まれて

日本の国体を消滅させよう、弱らせようとする・・・

陰謀・・・に気がつかない日本人がまだ大勢いて・・

本来国事でなければならない式年遷宮を

オウム真理教と一緒くたにして・・・宗教行為!!??

とみなす誤った認識にとどまっている

法律の方が間違ってますね・・・・

洗脳されている場合ではありません!!

が・・それでも・・

去年一年で神宮に参拝された方はナント・・・1300万人!!!

これまでにない記録的数字でありました。

まさに、日本人の魂の故郷なんです!!

800万人超えた!!と関係者さえ驚いていたのは

つい一昨年の秋口でしたが・・・

式年遷宮の資金は昔は国家予算でありましたが、

現在は神宮自身と、神宮崇敬会という

支持母体が主になって賄っております。





第62回伊勢神宮式年遷宮を記念して

一対の絵巻物を奉納させていただきますが、そのひとつ、

【日本神代絵巻(やまとしんだいえまき)】が、ここに飾られています

残念ながら、少々会場が狭いので、22mの全貌をご覧いただくことはできませんが

冒頭のドラマチックな場面が連続する所をどうぞお楽しみください。

すべて絵絹に描いております。

絵絹とは横120センチ、縦50センチくらいのシルクの生地を

木枠に張り込んで絵を描き、詞書を加えて完成させた後

表具師が絵巻物として仕立てるのです。

22mもの長い絵巻物は少ないので表具師は大変でした、

熟練の匠に頼んだのですが、最初は断られた・・・

描く方も後半の巻き取る軸芯に近い場面ほど薄塗りしようとする

表具の匠は自分の手に負えないことは絶対やらない・・・

失敗すると絵がだめになるから・・・

表具の生地は真白なる小葵紋。




絵巻物は掛け軸の長ーーいものですから、当然、巻き取るのですね

従って、絵の具を厚塗りしたのでは、巻き取ればボロボロ絵の具が剥落する

薄塗りによって全部を仕上げなければならないと言う制約がある。

現代の日本画家の殆どは、額装の需要しかないので

このような古典的技法を自由自在に扱うことは出来なくなっています

が、私は、古典技法が得意なので・・・・

昔の偉大な絵師達は薄塗りでいかに深みを出すか・・

と言う事に、真剣に取り組まざるを得なった。

だから、上手い。

今はそういう日本画の大事な大事な

核をすら台無しにして、何とも思わない・・・

自称日本画家???があふれてます、







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まだ、木枠に張られている状態です・・・表具を待つ・・・・

八岐大蛇退治のシーン



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詞書だけの場面もあります・・・・拡大してご覧ください




つづく・・・
posted by 絵師天山 at 16:05| Comment(0) | 伊勢神宮奉納記念展