5月6日、私は伊勢神宮へ、参りました。
昨年春に描いた倭姫命像を持参して、今度新しく建設される施設に使って頂くべく、奉納させて頂く事を神宮側が受け入れてくださったからです。
伊勢に神宮が移転されたについては、この、倭姫(やまとひめ)さまが、大いにご活躍された事によるのです。
このあたりの事は、知る人ぞ知るお話になりますが、元来、伊勢神宮は、御鏡をお鎮めする為の施設として、成立したものであります。
施設と言うとちょっと語弊がありますが、三種の神器の内の、御鏡こそ、天照大神様が、この鏡を私と思って地上を治めよ。と、天孫二二ギの命に託されたもの。
常にスメラミコトと共にあって、世界繁栄の礎となしなさいと託された御鏡が、いつしか危険に晒されるようになり、急遽その、ありどころを巡って、お鎮まりいただくに相応しい所を探さねばならなくなり、第十一代垂仁天皇の内親王、倭姫様が、その任に就かれたのでした。
同床共殿の神勅を守れない世情になったからです。
倭姫様は、方々探し歩いて、漸く伊勢の地にお鎮まりいただける地をさがしあてたのです。
それが、現在の伊勢神宮。
この話は、御伽噺でもなんでもなく、約二千年前に、事実あった事。当時大活躍された有名なヤマトタケルのミコトのおば様に当たるのが、この倭姫様なのです。
いわば、伊勢神宮の生みの親とも言うべき御方。であります。
平成25年、第62回伊勢神宮式年遷宮が執り行われますが、20年ごとに続けられてきたこの神事を奉祝するためにささやかに私もお役に立とうと思い立って、目下努力中なのですが、その第一歩が、この、倭姫像の奉納であります。
大きさは50号、縦90cm、横120cmくらいの作品です。
第65回春の院展出品作であります。長い旅の末に、伊勢の地に到着され、御杖代(みつえしろ)のお役を終えられて、鎮まられた 八咫鏡(やたのかがみ)を天照大神様として拝礼するお姿をイメージしたものです。
ご興味のある方は、ヤマト姫様をネット上で、お尋ね下さい。神話の昔と、今、現在とを結び付けて下さるお方です。