2014年05月27日

魅惑の百人一首 M


  【河原左大臣】 (かわらさだいじん)


みちのくの信夫もぢずり誰ゆゑに乱れそめにし我ならなくに


   みちのくのしのぶもぢずりたれゆえにみだれそめにしわれならなくに






      IMG_0954.JPG 







信夫(しのぶ)もぢずり、は、乱れ模様が特徴的な布地。

今の福島県の特産品でありました。

勿論、当時の都人注目のブランド品。


作者河原左大臣とは源融(みなもとのとおる)のこと。

嵯峨天皇の皇子様で源氏姓を賜り邸宅や別荘で豪奢風流に暮らしたので

源氏物語の主人公、光の君のモデルではないか? とされています。



貴女様にお会いして、信夫もぢずり模様みたいに心が乱れてしまいましたよ!!

と思いを寄せ、口説いているのですね。


印象鮮烈。

「我ならなくに」は、「貴女のせいですよ!」と、迫っているのです。

まあ、簡単に言えば女たらし・・・・・???

光源氏の元祖なんですから・・・・当然、と言えば当然。


英明であられたために時の摂政、藤原基経に排斥され、

皇位に就くことを阻まれ・・・開き直った?!

後、・・・・現世を楽しむべくやりたい放題の暮しを謳歌された?

・・・・のかも知れません。

藤原の目に余る・・・横暴さに搦め手から反逆しておられたのかも・・・



ら、り、る、れ、ろ・・・・



ま、み、む、め、も、・・・

とを主調に用いて RとМの子音を重ね・・・・

音韻軽妙・・と言いますか、心をかき乱されている?動かされている?

・・・ような感じを生んでいるので、忘れ難い強さがある。


耳触り良く、すぐに覚えてしまう、優れた“音象歌”の典型とされています。






posted by 絵師天山 at 23:49| Comment(3) | 百人一首
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