ご挨拶 ー美し国ぶりー
枕木山から、あるいは一畑薬師から、遥かに大山と三瓶山を遠望し、宍道湖や中海を眺めていると、夢の様な国引き神話は、きっと本当に違いないと、感じてしまいます。
大社から日御碕、須佐神社、八重垣神社と、神々の社を巡れば、須佐男命がこの地に降臨されたのは、いったいどのくらい昔の事なのか? 想像もつかなくなって参ります。
そして、今日ただ今まで神々が活きて私たちの暮らしの中に立派におわします事を改めて感じさせてくれるのです。
ギリシャ神話の神々は、すでに廃墟と化し、今では活きた神殿ひとつありません、ところが日本にはかなり昔から、それこそ太古の昔より今日まで、神々は鮮やかに存在し今なお立派に我々と共にある。日本だけに通用するこの事実を改めて教えて下さるのがこの出雲の地でありましょう。
古事記1300年。誠に記念すべき節目の年に、個展を開催させていただき、その為の取材を重ねることが許されたのは、大変幸せな事でありました。
この出雲の地に於いて、日の本の美し国ぶりを、その原点を見せられたからです。
晩秋の一日、冬迎えの風物詩、白鳥に親しむ事も出来ました。
ヤマトタケル命が、非業の死をとげられ、その魂が白鳥となって天高く舞い上がった・・・。
との神話がありますが、苅田で翼を休めていた白鳥が、あたかも、出雲に集う八百万の神々であるかの様な美しい錯覚に、捕らえられたのです。
高橋天山
【まほろばの里】
【古事記1300年の最新記事】