2011年10月26日

小堀鞆音展・・・・・武者絵の世界  まとめ

武士道を絵画化する。

勤皇の精神によって絵を描く。



生涯を賭けて、この二つの命題に正面から取り組み、とんでもない高みへ昇りつめた・・・・小堀鞆音画伯。

現在の世の中は、周辺国からの外圧に翻弄され続け、本来の日本を日本人自身が取り戻せないままでいる、悲しくも情けない状態であるが故に、この画家の業績をも忘却の彼方に押しやろうとしています。

しかし、人種、時代、・・あらゆることを超越した本物は、決して廃れることはないのです。【もし、受け入れられないならば世相の方が間違っている】と言い切れる強さ、確かさをこのホンモノの作品群は物語っております。

その晩年、神宮外苑に建設される聖徳記念絵画館に、渾身の大作を描く事で、【モノノフ】たる証を打ち立てたる事が出来たのは、幸いな事でありましたが、このために遂に命をも燃え尽してしまうのでした。

日本画40点、洋画40点、それぞれ約3メートル四方の大作が居並ぶ静で厳かな空間に、明治大帝の御事跡を年代順に綴り描かれたこの絵画館は現在でも立派に遺されております。

約 100点に及ぶ作品中3点を任されたのはこの小堀鞆音画伯のみ。

一点描くだけでも大変な名誉と、全力で取り組む画家たちの中で、ヒトキワ周囲の信頼を集めて、大事な場面を任されているのです。

この重圧と心労は、流石のモノノフも参ったのでありましょう。3点目は完成を待たずに他界。ご子息が助力して、ようやく完成に漕ぎ着けたのでした。


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【廃藩置県】


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  同、下図



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 【二条城太政官代行幸】   

    彩色は遺児、明、安雄の手による



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   同、下図











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posted by 絵師天山 at 21:23| Comment(3) | 日本画の真髄
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