2011年10月16日

没後80年記念小堀鞆音展

 
小堀鞆音展は圧巻でした!!!


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知る人ぞ知る大和絵の本道。武者絵の第一人者であることは間違いありません。

重ねて、嫡孫であられる、東大名誉教授、小堀桂一郎先生の記念講演がありました。


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小堀先生は記念講演の配布資料の中で次のように述べておられます。

或る制作が美術作品として成功してさへゐれば、それが全てであるとも言へるのだが、
その際に、
(中略)史傳上の傾転の選択やその扱い日に誤りが無いかどうかといふ問題は、
観者の方に、その扱い様の當否を判定し得るだけの歴史的知識があるか否か、
その様な高い水準を有する観賞者の納得をかち得るだけの知識教養を以て畫家が制作に
臨んだか否か、の問題に帰着してしまふ。

さうしてみれば、或る一時代に於いて、歴史畫がそれ自體高い藝術的達成を示し得、
對世間的にも人々の好尚に應へての盛行を齎(もたら)し得たかどうかといふことは、
畢竟(ひっきょう)その時代の美術愛好者達に於ける歴史意識及び知識の深浅の反映であるといふ論理になって来よう。


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【つまり、歴史的な事象を扱う歴史画というものは、その時代の美術観賞者の歴史認識や
歴史に対する知識レベルによって、画家がどれだけの力量でその観賞者の知的レベルに応えるかによって自ずと歴史画の水準も決まってくると云うことであると言うことだと思います。

現代の日本人には国史に対する知的水準があまりにも低く、
小堀鞆音が活躍した明治、大正の時代に歴史画家に求められた
奥深い日本の有職故実、歴史認識並びに精神性などを求める観賞者がいないため、
自然と画家にもそれらの力量を問われることも無くなっていることです。

絵画を単に投機目的で売買するような現代日本に於いて、
日本画に精神性や歴史認識を求める観賞者は今、どれほどいるのでしょうか…。

日本の伝統文化を守り伝えると云うことは、単に形式を継承する事ではなく、
形式の中に脈々と受け継がれてきた、日本人の精神性こそ、守り伝えていかねばならない
最も重要なことであると、この度の小堀鞆音没後80年展を通して気付かされた次第です。

お近くの方は、是非、ご覧になることをお勧めいたします。】 ☆★★★・・・・・・・



同行して下さった方の感想です。





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posted by 絵師天山 at 21:50| Comment(4) | 日本画の真髄
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