2011年09月09日

水野美術館 菱田春草展 中編




水野美術館での春草展を続けてお伝えしましょう。



【双美摘草】

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 二人の、少女のかわいらしい事! 愛らしさで一杯です。絞り模様のおそろい?の衣服と言うアイデアがまた素敵。

 蒲公英みたいな小草が僅かに、控えめに描いてあり、土の香りがして、萌え出ずる春の匂いに包まれるような作品でした。

 

 中景の梅、的確に生え際を描いて、雰囲気作りの主役として、

実に、上手く空間を作り上げていました。





 

 【羅浮仙(らふせん)】



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  羅浮仙、というのは、梅の精。梅の名所羅浮という山に遊んだ人が山中をさ迷っていると美しい娘に会い、勧められるままに酒を酌み交わしているといつしか酔いつぶれてしまう。

 目を覚ますと娘の姿はなく、ただ梅の古木があるのみでした。

と言う、オジサンには実に都合の良い物語。夢の国と言うわけですね。

 白く透明な衣装が足元に重なり、美しいひだを生み出しています。それは綺麗。





 【旭日静波】


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 題名そのままの作品ですが、三副対のうちの真ん中。(この映像は別作品、良く似ていますが・・・・・・。)

 中央に春草の描く日輪。その左右、左には雲。右には波。大観の作品。つまり、仲良し二人の合作、というもの。



 仲良しとは言っても、三副対の中心、太陽は春草が描いているんですから、年下の春草が年長の大観より・・・・・。









 【秋草】



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 この作品もちょっと珍しい、琳派風の屏風仕立て。

オミナエシだと思われますが、割と無造作にダイナミックに描いて、空間に金箔や、金泥による装飾的空間を作り、とかく、少女趣味になりがちな花鳥画を落ち着いた、おおらかな表現に昇華しています。春草の琳派風大和絵といった趣がありました。















以下つづく。















posted by 絵師天山 at 20:52| Comment(3) | 菱田春草
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