
明治41年 菱田春草作 【深山夕照】
VS
同 横山大観作 【深山朝輝】
先回の対作品もこの二点も、いずれも素晴らしい出来栄えであることは確かです。
しかし、よーーーくご覧下さい。春草作品がどこまでも淀みの無い流麗さで貫かれているのに比して、大観作は、春草に対する逡巡が見て取れます。
春草作【深山夕照】には、地面の説明すらありません。
対する大観作品からはほんの僅かな、戸惑いというか、ぎこちなさが、“いやーー、春草君にはかなわんよ!!”と脱帽している感じが伝わってきます。
勿論大観先生その人が稀に見る大天才であり、押しも押されぬ巨人と言うべき御存在であることは間違いのないところでありますが、春草は別格。
特別な存在なのです。
大観の巨匠たるゆえんは、春草に導かれての事。日本画芸術にどこまでも殉じたお二人ではありますが誠に好対照でありましょう。
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