生涯の友。盟友。 勿論、大親友。
菱田春草と横山大観とは、とても親しかったのです。
大観は早世した年少の春草を師のように思い続けて、尊敬しつつ、長寿を全うしました。
春草も7歳年上の大観に素直に兄事しています。
お互いを強く、深く、敬愛しつつ、日本画の王道を再度、築くために全生涯を傾け続けたのが、このお二人です。
現在の日本画壇はこの二人のお陰でかろうじて維持されていると言っても過言ではアリマセン。
日露戦争の会戦当日に、アメリカに渡航。
奇しくも日露戦争会戦後の終結の講和手段を模索していた伊藤博文が派遣する悲壮な覚悟の使節一行と同じ定期船でした。
このアメリカ行きの最後の定期船に大観と春草も乗船し、使節団と同じ決死の覚悟で、日本文化を背負い、未来に向けて出航したのです。
ボストン美術館東洋美術部長、岡倉天心を頼っての事。
壮挙と言うにふさわしい崖っぷちの暴挙???でした。
この盟友の【対】作品が残されています。
何れも日露戦争前後に描かれたもの。アメリカにはまだ、未発見の対作品が残っている可能性もあります。
美校時代から、美術院創立初期にかけて、テーマを決めて、制作し会い、それをお互いに批評するという研究を続けてきた事もあり、同一テーマの対作品を描く事は、二人にとって朝飯前であり何よりの楽しみであったろうと思われるのです。
春草VS大観
どうぞお楽しみ下さい。

夏冬山水 【冬】 菱田春草作 明治39年
VS
同、夏冬山水 【夏】 横山大観作 明治39年

冬の鴨と夏燕の対比が優美です。

秋の夕 横山大観作 明治35年
VS
同、 春の朝 菱田春草 明治35年

曳き船と釣り船の対比。

飛泉(ひせん) 菱田春草作 明治34年
VS
同、飛泉(ひせん) 横山大観作 明治34年
瀑布の対比。
水音が爽やか!!!
少し映像が見難いですね、
ホンモノで味わいたいところですが・・・・。
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