2011年04月08日

第66回 春の院展 出品作品“いく春も”

 節電で、ちょっと暗い会場ではありますが、無事に開催できた事だけでも感謝しなければなりません。 ウィークデーはさすがに入場者は例年を下回っているものの、土日には、却って多くの観覧者があるとか。

会場の隅には、このたびの津波で流されてしまった、岡倉天心の遺構、茨城県五浦の六角堂跡の痛ましい写真も。

理事長、松尾敏男画伯の筆による、“黎明の富士”をはじめ、三百数十点が陳列されています。(4月11日まで、日本橋三越特設会場にて。)

日本画らしい絵が、見られなくなって久しい院展ですが、大観、春草、ほか、数多の先人が築き上げた伝統を継承すべく模索中であります。ちなみに理事長松尾先生は、もう80歳を幾つも超えられて、なお健筆を振るっておられますが、大観の孫弟子に当たる方。最高齢は、96歳の郷倉先生でしょうか?

おっと、女性の年齢は言っちゃあいけませんね。

同人(=審査員)の作品には作家自身の言葉で、解説が付けられております。私の出品作は、“いく春も(後桜町天皇像)”と題した、女性像であります。


7772a.jpg


“いく春も なほ色添えよ すめらぎの 世世のさかへを 契る 松ヶ枝” から、画題を採りました。帝徳あふれ、御国母と称えられた女帝、後桜町天皇の御製です。

 新井白石の先見の明により、御皇室の藩屏として創立された閑院宮家が、当時の皇統断絶の危機を救ったのですが、そこに至るまでの間、心ならずも御即位された後桜町天皇は、後桃園天皇、光格天皇の御教育と後見を全うされる一方で、傑出した能書家でもありました。さらに1600首にも及ぶ御製も残されております。譲位の後にも、“民やすき この日の本の 国の風 なほ正しかれ 御世の初春” の御製もあり、至尊調の極みと拝察されるのです。



7771a.jpg
部分



posted by 絵師天山 at 00:06| Comment(5) | 天山作品紹介
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: