2017年05月13日

理想美術館13 歌川広重と葛飾北斎 続き


歌川広重と葛飾北斎 続き


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夜逃げを重ねるたびに名前も変えていた北斎とは対照的で、出自も確かな、一方の・・・
歌川 広重(うたがわ ひろしげ)、
本名は安藤重右衛門。
江戸の定火消しの安藤家に生まれた惣領。
家督を継ぎ、その後、浮世絵師となった人。
今で言えば消防署長の御家柄・・かな??



私が習った時代は安藤広重(あんどう ひろしげ)と呼ばれていましたが、
安藤は本姓、広重は号であり、
両者を組み合わせて呼ぶのは?、
広重自身もそう名乗ったことはなさそう・・・・なので、
今では歌川広重。
歌川は浮世絵師の名前、
歌舞伎役者が市川とか中村とか名乗るような・・・


ついでに昔の有名人の名前について・・・ちょっと・・・

普通我々は、徳川家康、新田義貞、足利尊氏・・・等々
誰もが当たり前のにこう呼び習わしていますが、実は、
足利尊氏とか徳川家康とか書いてある当時の文献はどこにも無く
我々の時代になって、符牒の様な意味で、目印として
足利尊氏とか徳川家康と言うだけのことであって、
当時そういう呼び方は絶対にしなかった。
それは

明治4年に【壬申戸籍】が出来るまで、
家の名前と諱(いみな)とを直結することは許されなかったから・・・


足利と言うのは家の名前であって、
氏の名前ではありません。
尊氏と言うのは諱(いみな)ですから、
家の名前と諱とをくっつけて足利尊氏!
などというのは絶対無し!

例えば、北条家が出した鎌倉幕府の下し文くだしぶみというのが沢山あり、それには必ず執権の相模守平朝臣(さがみのかみたいらのあそん)とか武蔵守平朝臣(むさしのかみたいらのあそん)と、書きその下に【花押】がある。・・・北条某・・・というのはどこを探しても絶対に存在しない。

つまり、足利家の源尊氏、であり、徳川家の源家康であって、文書に出てくる場合、家康は江戸の内府とか、江戸大納言とか書かれ、正式文書では源家康、と表記される。
足利尊氏の場合も足利中納言とか、足利将軍とか鎌倉大納言、などというのは構わない。
家の名前と官職とを結び付けるのは有り。
だが、
徳川家康とか足利尊氏とは絶対言わない。


現在では氏の名前と家の名前とを混同していることに気付くことすらありません。

日本人が苗字と名前を持つ様になったのが、明治4年。
明治政府が政令を出して、
日本人はすべて苗字を一つ、名前一つにせよ、・・・
一番困ったのは、
苗字が今まで無かった大部分のお百姓さんたち。
・・・だからそれまでは、
西郷隆盛なんて言う名前は無かったので、
平朝臣隆盛と称した。
大久保利通は藤原朝臣利通、
大隈重信は菅原朝臣重信、
伊藤博文は越智宿禰博文。

・・・これらは偽物の系図からひねり出した・・・伊藤博文の家は足軽で身分が低いから大してお金が無い。そこで偽系図を作る時に安く済まそうということで、越智宿禰(おちのすくね)と言う様な氏姓をゲットした・・・・
越智宿禰は伊予国の名門だったが、後世には大した氏ではなくなっていたのです。

明治4年の壬申戸籍により、家名のある家はそのまま苗字とし、
そうでない大部分の人は結構良い加減に・・・、
あとは名前を一つ付ける事となって・・・・
今日に至り・・・・
それ以前は全然別だったことは全く知らない・・
知らされない・・為に、・・・・悲しいかな、
夫婦別姓??!!とかタワゴトをウソブクまでに堕落したのです!!

源頼朝の部下は全部源氏、とか、当然のように思われてますけれど、実は、
その殆どが平氏。・・・・8割くらいかな、・・・・
なのに平家物語=源平バトル・・・なんて
いとも簡単に歴史を歪曲してしまうのは、
戦後の教育の基本が間違っているから・・・・ですねぇ、
古事記さえ教えないんだから・・・全く腹立たしい!!!



話がまた脱線しましたが、
安藤広重、と言っていたのを歌川広重に統一したのは
別に壬申戸籍とは関係ないのですから、本当はどちらでも差し支えのないことと思います。
レッキとした定火消しの御家柄に生まれた安藤重右衛門様に、
立派な絵の才能が輝いていたことこそ
エポック!!!!・・であります。

しかし、そう考えると、
葛飾北斎という名前は、相当に怪しい・・・・・。
マジめちゃくちゃアヤシイ・・・が、
それも北斎らしいと言えば言えそう・・・・
なかなかのアヴァンギャルド!!!??だからねぇ・・・


90回以上も名前を変えた、とか言う説もあって、そんなこと誰がどうやって数えた??のか??超疑わしいが、それほど波乱万丈・・・・社会生活不適合者?!か?
どうしようもないくらいの目立ちたがりで、ヘンタイ?
絶対友達にはなりたくないタイプ・・・・
が、それが幸いして?ついに世界的名画を産んだのでした!
凄いねぇ・・・・・


歌川広重=安藤広重、はそういう破たんした所がなく
円満な知性の輝きをテライなく感じる。
非常に賢い構図。ここまでに用意周到、深く計算し尽くしているのに
そういう作為しました!的な厭味を全く感じさせない。
じつに巧緻な意匠なのに、大らかな平凡さでまとめ上げる!!
つまり名人!
だからヘンタイ北斎とは対照的。
この人はお友達になると・・・・きっと、良い事がある。


北斎の絵を飾っておくのは少々疲れる・・・良くも悪くも強烈に飛び込んでくるから・・・目を離せなくなるから・・・だが、
広重の絵は、優しく、癒してくれる、・・・ずっと長く飾っておきたくなる・・・目を離してもまたすぐに目をやりたくなる・・・・・


だから、私の理想とする美術館には北斎よりも広重を常設展示して、ごく、たまーーに北斎を出してくる、で、どっちも、良いなぁああ・・・・
それぞれがぁ・・・と悦に・・・入る、










posted by 絵師天山 at 00:54| Comment(0) | 理想美術館
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