2017年05月11日

理想美術館13 歌川広重と葛飾北斎


理想美術館13


       

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江戸時代に隆盛だった浮世絵版画が
非常に安価でポピュラーだった為に
外国にも沢山流出し、
その好奇なるエキゾチシズムは世界中の人気を得、
引いては後期印象派の発祥を促した・・・
ゴッホやゴーギャン、モネなど
今日大巨匠とされて、
たいへんな大天才である彼らの創作力の基になった、
のは、・・・実に日本の浮世絵であった。


この位の事は
一般的教養を備えた方にとっての常識とされていますが、
これと同じことが現在も進行している事に気付く方は
案外少ないのではないかと思います。


それはジャパンアニメ。

スマホという媒体によって映像革命にさらなる拍車がかかり
驚くほど短期間に、強烈に、
進行し続けているのに合わせ、
写真、動画、映画、・・・画像
・・・あらゆるカメラによる写実が溢れ返っている為に、
理性的な現実描写に慣れきって、
(疲れてしまい・・・・)
却って抽象化された二次元画面に
興味をソソラレル!


抽象化されている方が感情移入し易い・・・・

浮世絵も現代のジャパンアニメも根は一つ。
現実通りに描いてあっても面白くは・・・ない、
スーパーマンやゴジラが現実に近づいて行くよりも
口さえ無いキティちゃんの方が何倍も楽しい!・・
キティちゃんは究極の抽象化だから・・・。
現実を元にしての・・大胆な作為、抽象化、造形化
・・・の方が断然ウケル!!


つまりそれは日本人の造形感覚が非常に高度なレベルにある事を示しているのです。
今も昔も・・・・自分達が思う以上に・・・・超ハイレベル!!!

いつか別のところで言った事がありますが、世界中にジャパンアニメランドを政府主導で作りまくる。外貨を堂々と稼ぐのにこれほど有効な手はありません!デズニーランドなんか(・・クソ喰らえ!)クダランコケオドシに過ぎないから向かうところ敵なし!いくらでも儲かる!!・・・・・

話が逸れましたが、
今日語ろうとしているのは浮世絵の巨頭
歌川広重と葛飾北斎。


熱射病で救急車のお世話になる人が続出したあの
東京都美術館で開催された伊藤若冲展、・・・
入場制限五時間待ち!!!!
これも現代人の病んだ姿を素直に投影した縮図でしたが
映像力という病魔に犯されヤミクモに写実力に餓えた人々が集合したに過ぎない。


これに比べ、
この二人の巨匠が遺した偉業は段違い平行棒!


そもそも伊藤若冲は京都の老舗のボンボン。
資産家だから・・食うに困るわけではなく、
ひたすら絵を楽しみとして長生きした人。
御物とされ名品とされているかの
動植綵絵(どうしょくさいえ)の連作は、
ある意で素晴らしい作品でしょうが
実はこの作品、
興味をそそられた万物に対する作者の確認報告書、
・・であって、
つまりカメラが存在しない当時の“図鑑のつもり”
by本人・・・

・・に過ぎない・・・・のですが、
並外れた描写力が、スマホを握りしめた現代人に大受けし、今日の人気を得たもの。

それに比べ、北斎などは貧乏人の小倅・・・
始終金に困って借金生活、行き詰まれば夜逃げして
名前を変えて、改めて暮しを立て直す・・・・
当れば少々の金にはなったが、90年間の生涯、
大半は食うや食わず・・・
貧しかったのに、・・にもかかわらず・・・
創作意欲は人の何万倍もあった・・・・・。


が、しかし。
見た通りに写実的に描く事に
大した魅力を感じないのが一般的日本人だった、から・・・
当時は金持ちのぼんぼんが描いた自己満足写実画より
貧乏人が必死になって生活の為に工夫に工夫を重ねた
創意の方がずっと面白いし、それなら金払ってやる・・
人が多かった、しかし大金は払えない・・・
だから廉価な版画媒体にした・・・・訳です。ねえ・・・

そして、世界を動かした!!!






      
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最近小さい北斎美術館も開館し、
冨岳36景全作揃うことを自慢にする向きは昔からあり、
そう、欲しくもないけれど、・・・
著作権は切れているので、
上手に加工したヴィジュアルモノ・・・
を工夫し、作ってみたい。・・かな
世界一有名なのは神奈川沖・・・だが

もう少し上等な富士山だと良いけれど・・・
富士山そのものではない連作の面白さは確かに、ある!!

北斎はやはり肉筆モノの方が好きかなぁ・・・













この項、続く・・・








posted by 絵師天山 at 13:54| Comment(1) | 理想美術館
この記事へのコメント
なるほど まさに今そうなのですね
美術というものは溢れるイメージを現すものなので 抽象の極み 昔も今も同じなのですね
Posted by 中野信也 at 2017年05月11日 17:29
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