稀勢の里が初優勝しました!!
場所前、大方の声は、
またぞろ、肝心なところで負ける・・
稀勢の里の優勝なんて永遠にあり得ない・・
などと、皮肉交じり予想・・でしたが
酉年になっての初場所
風が吹いた!!
結果は十四勝一敗の堂々たるもの。
二人の横綱と実力ある大関が休場だったけれど
それは稀勢の里の責任ではなく
先場所は三横綱さえ総なめにしての準優勝
しかも対白鳳戦三連勝中だった!
・・・し
年間最多勝利も得ていた、のであって
当然横綱昇格へとつながる成績
誰はばかることのない昇進!!
親でもないのにもらい泣きした相撲フアンは
数え切れないくらいでしょう。
確かに、今場所は初手から落ち着いていました。
磐石の勝利への意志を感じさせる立ち居振る舞いであり
筆者は秘かに、心地よく不安なく見ていられたのです。
その稀勢の里の実父が新聞社にたいしてコメントを出したのをみて
ここに掲載させていただきます。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
稀勢の里の父、萩原貞彦さん(71)は優勝を決めた瞬間を茨城県牛久市の実家で迎えた。野球少年だった長男が角界入りした後もアドバイスを送り続けた相撲好きの父は、大きな壁を乗り越えた自慢の息子へさらなる精進を期して、スポニチ本紙への手記に思いを込めた。
【写真】落ち着いた表情で仕切る稀勢の里
★
まずは先代鳴戸親方に感謝しなければなりません。草葉の陰でさぞかし喜んでくれているのが目に浮かびます。厳しい教えと薫陶を受け、そのことをしっかり受けとめ精進してきました。本当にありがとうございました。
今までの相撲人生を振り返ると順調過ぎるほど順調に来ていたと思います。周りからは幕内に入ってから伸びは鈍化し、足踏みが多かったのではないかという声が聞かれますが、関取以上は幕下以下に比べれば密度は濃く、また、三役以上はさらに密度が濃く大関ならばなおさらです。
密度の度合いを幕下以下に置き換えれば幕内に入ってからの伸長率は決して鈍ったのではなく、一歩ずつではありますが順調に来たのではないかと思っています。
よく引き合いに出ますが「上に上がるときは一気に上り詰めるもの」。歴代横綱の多くはそうであったという声が多いが「とんとん拍子の出世」はまれな例であると思います。
また、現在本人を取り巻く環境は過去の環境とは比べようもないぐらい大変な時代ではないでしょうか。戦後復興のハングリーな日本と同じ環境のモンゴル勢と、相撲史上最強と思われる白鵬が君臨し、大いに盾になっています。そういう中で日本勢対外国勢という構図が出来上がり、日本代表として日本人ファンまた関係者の期待を一身に受け、中学を卒業して相撲しか知らない純粋培養の本人にすれば病気になるぐらいの重圧を感じていました。こういった環境の中で非常によくやったと思っています。私としては大関のままでケガなく病気にならない体づくりを第一に考え、好きな相撲を長くやってもらうのが念願でした。しかしそれではお世話になった人、世間が許してはくれません。
現在の閉塞(へいそく)した時代、日本人としての気概に乏しくなった時代に伝統文化、様式美を具現化した相撲は、相撲を通じて礼儀、作法、道徳等の日本の良さを見直し、知らしめるという義務使命があるのではないでしょうか。
また、上に上り詰めたときは自分もしくは家族のためということから手を離れて、国家のため日本の伝統文化に気概を持って伝承しなければなりません。
さて、これからが大変です。今まで以上に稽古をこなし、自分を律し、より勉強して名実ともに誰からも模範になるような立派な人間になるよう努力しなければなりません。
そういった意味で「おめでとう」と言うよりはこれからはなお一層頑張らなきゃいけないと思うと気の毒になったというのが本音です。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
相撲を知らない人の為に、・・・・
ちょこっと、解説しますと・・・・
師匠の鳴門親方は元、隆の里という横綱で
遅咲きで有名であり持病に苦しんで
60場所を費やして漸く横綱に成れた力士。
言わば苦労人の成功者ですね。
弟子には非常に厳しかった。
もう一人琴桜という、これ又
・・超遅咲きの横綱が居たが
この力士は皆が忘れかけたころ急激に強くなって
あれよあれよと言う間に昇進した為に
狂い咲き!などと揶揄されました。
が、稀勢の里は、師匠よりも
狂い咲き琴桜よりもずっとずっと
長く関取を続けて、七十場所以上を費やしての
横綱昇進なのであります。
年間六場所ですから、10年以上。
勝利への貪欲さ、だけではなく
力士としての品格を磨いてきた・・・ための
遅咲きであるが故に、親ならずともフアンは涙したのです。
白鳳を代表とする外国人力士は
国を離れ、見知らぬ外国で生計を立てねばならず
石にかじりついても!という
ハングリーさは並大抵ではありませんが
その分、相撲はスポーツではなく神事である
という本分をないがしろにする。
・・・というより、生理的に解らない、
と言ったほうがよろしい。
とにかく勝てば官軍。勝利にどん欲と言うより
手段を選ばない。
普通
上位者に対して、立会の張り手は、
禁じ手ではないものの、
力士の品格を知る人は決してやらない
いきなり問答無用の平手打ちにするんですから、
当然稀勢の里も、・・・・
下位力士に対して立会から変化する、
なんてバカものはまだ、
幼児性が取れない
力士の名に値しないヤツでしかない訳で、・・受けてやらねば!
まして横綱たるもの、私を引きづって自分の勝利だけに終始していてはイカンのですが、
白鳳にはそれが生理的に解らない。
ルールにないことは何しても良い・・・・!?
ところが、稀勢の里は、
実に日本人らしい、
相撲は当然、神事である・・・と言うことを
十二分に心と体で分かっている代表的力士なんですね。
神様に観ていただく!
彼ばかりでなく、多くの日本人力士はそうなんです。
外国人力士であってもそれを知る人も居りましょう。
中学校卒業してすぐに角界入りしての
純粋培養である、というのはこのあたりの事を言ってます。
常に仕切りも堂々としているし
変化するとか、
姑息な手を使う、
騙まし討ちも駆け引きのうち・・・
なんてことはもう
微塵も考えたこともない。
本来あるべき
相撲らしい相撲をめざして、稽古して、
それで実力を付けてゆけば、
おのずと結果は付いてくる。
という考え方に徹している人。
だから、目先の結果に囚われる世間は厳しく断じる。
事実、結果だけ見ると、
情けないことも多々あったのですけれど、
15年間本場所を休んだことがない、
大ケガのない名力士であり
いつも寡黙で、言い訳などせず、
モクモクと、精進し続ける事を決して止めない力士。
実に尊敬すべき力士なのだが、
浮薄な世間の波に追いやられそうだった・・・・のが
ここへきて、その真価が遺憾なく発揮されたのです。
すべからく日本人はこうあるべき。
・・・と思います。
御人よし、と揶揄され、
ばかにされ、小突かれ、ないがしろにされ
やりたい放題の仕打ちをされっ放しでも
なお
人としての品性を育てようと努める。
世界は残酷で、弱肉強食そのものでしかない!・・としても
なお、日本人は人としての品格を保ちたいものであります。
守り抜くために工夫をする、努力を惜しまない、
そして、創意を深めてゆく、知恵を絞る・・・
なぜかって?
結局世界は日本人なくしては立ち行かないから・・・
稀勢の里の父上が言っていることを敷衍すれば、
日本文化だけが、世界を導く力を持っているので、・・・・
稀勢の里は、とにかく後退しない。
ホータイもしてない。
じりじりと、正直に実力を養いつつ、
苦労を苦労とも思わずに力を着け前進し続けている。
笑われるような結果でしかないこともあったけれど
今やあの白鳳に4連勝している・・・・!!
必死に全力で食らいついてきた白鳳を土俵際でたたき落した。
ワタクシにまみれて傍若無人にふるまう者をも
結局
ねじ伏せなくちゃイカン・・・・、
のであります・・・・
そこを目指さねば・・・・。
日本人ならではの実力を!
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