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・・・・核融合とは、21世紀半ばの実用化を目標に世界的に開発が進んでいる新しいエネルギーです。
最近ナトリウム漏れを起して皮肉な形で有名になってしまった「高速増殖炉」と「核融合炉」を混同している方も時々いらっしゃるのですが、これらはまったく別のもの。
太陽はもちろん、宇宙に輝くすべての天体は、水素、ヘリウムなどの核融合エネルギーで輝いています。核融合炉は、現在の原子炉のような高レベル核廃棄物を出さない人類究極のエネルギー源。核融合炉ができれば、核拡散問題からも、使用済み核燃料からの高レベル放射性廃棄物からも、開放されるでしょう。但し実用化にはまだまだ時間がかかります。しかし、「地上に太陽を!」という夢は、きっといつか実現するでしょう。
福島県の原子力発電所で起こった「水素爆発」とは、核融合の反応のことではありません。水素のガス爆発です。NHKのアナウンサーまでが「核融合」と発言しましたので、念のため記載します。 核融合というのは簡単には起こせません。だからこそ実用化が難しく、だからこそ、停止することが簡単、というか、何もしなければ必ず止まるから安全性が高いとされるのです。反応を止められなくなることなど、核融合ならありえません。
核融合炉の燃料は、ウランでもプルトニウムでもなく、水素です。
反応そのものは太陽の中で熱を出している現象と同じなのです。
核分裂の時と異なり、核融合でできるものは決まっていて、安全なヘリウムです。
風船に使われるあれです。
中性子も出るので、炉心内部は放射化されますが、これは開発中の低放射化材料で解決するはずです。つまり、核分裂では反応そのものが高レベルの放射化物を作ってしまいますが、核融合はそうではありません。
発生する中性子の処理さえ工夫すれば、放射性廃棄物のレベルは大きく下げられるのです。通常のステンレスで核融合炉を作った場合にはかなり高いレベルの放射化物ができます。この点を核融合の致命的欠点かのように誇張して反対されることがあるのですが、それは不合理な見解です。
初代の飛行機が木製だったのを取り上げて、耐久性がないことを致命的と指摘しているようなものといえます。
材料の開発は時間がかかりますが、低放射化材料はすでに開発中で、照射試験を繰り返しています。核融合炉が実現するまでには必ずできるのです。そのようにスケジュールが組まれています。
核融合の燃料、重水素(普通の水素の2倍の重さの水素)は海の中に無尽蔵です。初代の核融合炉は三重水素も使いますがこれはリチウムから核融合炉の中で自己生産します。携帯電話の電池でもお馴染みのあのリチウムです。リチウムは、当面はリチウム鉱として十分な量がありますし、海の中には無尽蔵です。だから核融合炉の燃料はすべて海にあるのです。資源に乏しく、海に囲まれた日本において核融合炉が特に期待されるのはこのためです。
海水から重水素を取り出すのに非常に大きなエネルギー(主に電気分解ということらしい)が必要であるとか、取り出すよい方法がない、などとおっしゃる方がいらっしゃいます。これは完全な誤りです。海水からの重水素製造はとうの昔に工業化されており、その分離にエネルギーはほとんど必要ないのです。もちろん水を電気分解などはしません。化学反応の反応速度の差を利用します。
リチウムの回収に関してもすでに技術は存在しております。ただし、鉱山からのリチウムの2倍程度のコストがかかると思われるので、鉱山からのリチウムがなくなるまでは誰も今すぐ工業化しようとは思わないだけです。なお、核融合の燃料費は安く、運転費全体で大きな割合を占めないので、もしリチウムの価格が2倍になっても、発電コストにはほとんど関係ありません。
すなわち、核融合炉が完成すれば、プルトニウムの核拡散問題や、高レベル放射性廃棄物から開放されます。地球温暖化の原因となるCO2も発電中に発生しません。
太陽光発電などの自然エネルギーはもちろん期待されますが、それだけでは天候などによる変動が大きすぎます。それらと核融合との組み合わせで21世紀の電力を供給するのが理想の姿であろうと考えます。
核融合といえども核エネルギーなので嫌う方もいらっしゃいます。
そんなものを使うより節電を考えよとも言われます。
しかし、われわれが節電するのは当然としても、今後の発展途上国の高度化によりエネルギー消費が爆発的に増えることは絶対に避けられず、
現状技術だけでは、エネルギー不足か、CO2による地球温暖化か、高レベル核廃棄物の大量蓄積か、のどれかがわれわれを襲ってくることからは逃げられないのです。
未来に責任を持つためには、なにか新技術が必要なのではないでしょうか。われわれはなにかするべきです。・・・・
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ネットで見つけたこのご意見は明快そのもの。
世界は日本人の英知や技術、道徳心、など、日本人ならではの総合力を必要としているのです。
エネルギーと食糧の自給こそ豊かな地球をもたらし、
恒久的世界平和への最高の切り札である筈。
ちなみにコチラは、
子供むけの解説で分かりやすい?・・・かもしれません、
ご参考までに。
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核融合研究って?
A:軽い原子核どうしがくっついて、より重い原子核に変わることをいいます。くっついたときにとても大きなエネルギーが出ます。太陽も核融合で燃えています。核融合研究は、地球に小さな太陽をつくって、このミニ太陽からでるエネルギーを利用して電気を起こすことを目指しています。
A:核融合反応をさせるためには三つの条件を達成しなければなりません。1)プラズマが約1億度以上の温度になること 2)1立方センチメートル(1cc)のなかに原子核の数が100兆個以上あること 3)閉じ込め時間が1秒以上あること。これをローソン条件といい、核融合研究はこの条件を目標に進めています。この研究所でも一つ一つの記録、たとえば1億度のプラズマをつくったり、密度が1立方センチメートルあたり500兆個という記録は達成していますが、難しいのはこの三つの条件がそろわないと核融合反応がおきないことです。とくに閉じ込め時間1秒という三つ目の条件は、逃げていく粒子をどうやって装置のなかに閉じ込めておくかという研究になりますが、目に見えない粒子を閉じ込めておくのはとても難しく、この1秒を求めてさまざまな研究がおこなわれています。
1億度の温度がなぜ必要?
2個の原子核をぶつけて、くっつけてしまうのが核融合です。でも原子どうしをぶつけても、原子核がぶつかりません。なぜかというと、原子の中の原子核の周りには電子が回っていて、原子核がぶつかるのをじゃまするからです。そこで1万度以上に温度を上げて、原子から電子をはぎとって原子核をはだかにします。この状態をプラズマといいます。でもまだ核融合はおこりません。原子核どうしを秒速(1秒間に走る速さ)1000キロメートル(日本〜韓国間)の速さで走らせて、ぶつけなければいけません。そのためには、温度をもっと上げて、1億度にする必要があるのです。
温度と分子運動の関係
空気の分子〔ちっ素分子(記号:N2)や酸素分子(記号:O2)〕はものすごい速さで動き回っています。目には見えませんが、その速度は時速(1時間に走る速さ)1500キロメートルというすごい速さです。これは音の速さとほとんど同じです。この分子の速さは、温度が上がると、どんどん速くなっていきます。核融合をおこすプラズマの温度は1億度だけど、原子核(分子が分れてでてきた粒)はなんと1秒間に1000キロメートルも走ります。ものすごい速さです。逆にいうと分子や原子核を速く動かしてやれば、温度が高くなります。プラズマを加熱するときには、原子核を速く動かすことでより高い温度のプラズマにする方法をとっています。そして温度が高いプラズマを、エネルギーが高いプラズマといいます。元気があるプラズマという意味です。
1ccあたり100兆個がなぜ必要?
空気は、1立方センチメートル(1 cc)の長方形の中に、100億を2度かけたほどの個数の分子〔ちっ素分子(記号:N2)や酸素分子(記号:O2)〕が入っています。この数を分子の密度と呼びます。核融合をおこすプラズマでは、原子核(分子が割れてでてくる粒)の密度は、1立方センチメートル(1 cc)に100兆個です。空気と比べるととても密度が小さい(薄い)のです。だいたい空気の30万分の1の薄さです。こんなに薄くても核融合がおこると大きなエネルギーが生まれます。本当はもっと密度を大きくすると、もっと核融合がおこりやすくなるんだけど、密度をあげると閉じこめておくのが難しいのです。
密度をあげる工夫
磁石を使ってプラズマが外に逃げないように閉じこめることができます。核融合科学研究所の大型ヘリカル装置(LHD)も磁石の「かご」を使ってプラズマを閉じこめる装置です。磁石が強くなればなるほど、高い温度のプラズマ、密度の大きいプラズマが閉じこめられます。今の最高の磁石では、温度が1億度、密度が1立方センチメートル(1 cc)に100兆個のプラズマを閉じこめることが限界です。そこで、もっと密度を上げて核融合を起こしやすくするために、強い磁石を作る研究や、磁石のかごの形を工夫する研究もしています。
閉じ込め時間1秒のハードル
いくらプラズマを温めても、まわりに熱がにげてしまうと、すぐに冷めてしまいます。この冷めてしまうまでの時間を閉じこめ時間といいます。閉じこめ時間が長いということは、熱がにげにくくて、温度が高いままでいられるということになります。核融合でエネルギーを出すためには、閉じこめ時間が1秒より長くないといけません。お湯は、できるだけ冷めないように魔法瓶に入れますが、プラズマでも、魔法瓶のような仕組みを作って熱がにげないようにする(閉じこめ時間を長くする)工夫が研究されています。そして1秒の間、冷めないようにできれば、核融合でエネルギーが取り出せるようになります。
持続続時間と閉じ込め時間の違い
たった1秒だけエネルギーを出せても、みんなで電気を使うことはできませんね。ところがうまくなっていて、核融合でエネルギーが出るとその一部がプラズマを温めてくれます。そしてまた核融合がおきてそのエネルギーがさらにプラズマを温めてくれます。温まってエネルギーの方が大きくなるほど、プラズマはずっと長い時間、冷めないで高い温度を保つことができます。このプラズマが高い温度を保っていられる時間を「プラズマ持続時間」といいます。
※核融合を起こさない実験では、加熱装置を使ってプラズマを温めて高い温度に保っています。(そうしないと1秒にもならない時間で冷めてしまいます)その高い温度に保っている時間を持続時間といっています。
原子の中をよく見てみると、もっともっと小さな粒が集まってできています。真ん中には丸い粒が一つあって、それを原子核といいます。その周りをいくつかの小さな粒・電子が回っています。真ん中の原子核の大きさは、原子の10万分の1という小ささです。この原子核をくっつけたり、割ったりすると、大きなエネルギーが出てきます。くっつけるほうを「核融合反応」、割るほうを「核分裂反応」といいます。
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