2015年12月16日

かつてはルノワールだった・・・・


JR上野駅公園口正面には、かの文化会館があり
すぐ右手お向かいには、国立西洋美術館があります。


いずれも主に西洋の音楽、美術を紹介する為の施設。
昭和39年東京オリンピックの年には
既にあったことは確かで
もうズイブン見慣れたし、
時折り改修され、現役続行中だが、
少々古臭くなりました。
文化に携わる我々は勿論
ごくたまに上野駅公園口を使う人々にとっても
ごく当たり前の馴染んだ存在・・・


この度の再びのオリンピック招致は
不透明だが、景気回復のテコ入れが期待され
世界に対する日本の在り様を
認知してもらうのに大変良い、のでは?
漠然と・・・そう、思われています。


直接スポーツに関係する諸氏はもちろん
恩恵にあずかれそうな人々は悉く大賛成
その他大多数は、積極的、消極的、
無関心・・・も含めて
大かたは別に反対する理由は無い・・
上手く利用しさえすればヨロシイ
・・・的な、気配・・・

私の様に正面切って大反対!!
と、思ってる人はあまりいないのでしょう。
・・・・・
か???



文化会館も西洋美術館もブッコワシ!!て、
邦楽会館と日本美術館に建て替えるべし!!

と常々考えている私としましては・・・

一部の人々だけが唱えていることを
世界の常識だと思い込まされての
似非文明論に踊り易いこの現実世界にあって


結果的には、合法的にゴッソリと
物質的精神的共に大きな犠牲を払わされる
オリンピック開催は大反対!
反対するのは
日本文明回帰への・・シアワセへの・・・
大切な大前提デアル!!
と思うのですが、

なかなか、多勢に無勢でしょうなぁーー・・・



スポーツというものは
結果が明快なので
引きずり込まれるような魅力に溢れています。

それに比べれば絵画などは
何が良いのかスグに解る人はそんなには、居らず、
ハッキリしない、・・・・特に現代日本画は・・・?


勝てば官軍!
負け犬の遠吠え
勝利こそ!!

敗者になってはいかん!
敗者には成りたくない・・・
しかし・・・・
100人が100人とも、
勝者を目指している世界は・・・
実は・・・・窮屈
幸せじゃあありません。
ね・・
たとえその内の一人でも応援に回ってくれる人がいれば、もうそれだけで住みやすくなるもの。


以前、相撲について語った時に
横綱白鳳はケシカラン!!
と申しましたが、
相撲を始め、日本文化は大変多面的であって
一筋縄では行かないモノだらけ・・・
だからこそ
面白い!!!!
相撲はスポーツという小さな枠に
はめる事が出来ないからこそ面白いのに
白鳳以下大方の外国人力士は
そのあたりを理解し難いらしい・・

勝ってナンボじゃ!!
・・・が、まかり通る、


実は、民主主義もこれと同じ様なもので・・・
49対51が堂々とまかり通る。

つまり49人は不幸せでも
51人が良しとすることが正義!デアル!
と、決めてしまう・・・・
実は・・・・オカシイ・・・・・
残りの半数は我慢しているのだから


何時の頃からかこういう単純な理屈が正しい!
とされる世の中になってしまいました、・・・
善玉と悪玉しか出てこないハリウッド映画から?

日本文明の本質とはかけ離れて行くばかり・・・

本当は多面的な日本文化こそ
人類の真の幸せのカギを握っているのに
日本人自身がその事に思いが及ばない
漠然と日本は好きだが、
何が大切なのか、その神髄に迫ることなく
西欧の規範に盲従する癖を付けられてきたまんま。
長いものには巻かれろ?
西欧に対する劣等意識がその根底にあり
それはぬぐい切れないほど強靭、根深いもの・・・

だから、文化の町上野の入口には
文化会館と西洋美術館が未だに堂々と鎮座しているんです

だからこそ、ぶっ壊せ!!
と私は言ってるんです。
おかしいと思わないオカシサに気付きましょう
・・・!!!と。

同じ理由でオリンピック開催も絶対反対!!
勝ち負けだけの安っぽい価値観を謳歌する祭典
内実はとっくの昔に悪魔化してしまった
世界的集金システム繁栄の為の茶番




かく言う私も・・・・

物心ついて人様より絵が好きである自分に気付き
漠然と画家になりたいなどと思い始めたころ
私の身の回りに目についたものは
欧米の文化でした。
油絵具を買ってもらった時の嬉しさを
いまだにハッキリと覚えています。
早速自転車に括りつけ
石神井公園三宝寺池へ、
イーゼルを地面に立てて
カンバスに向かって水辺の風景を描く!!
印象派の巨匠達が皆揃ってしている事が
即、
自称絵好きの少年が当然やるべき事
・・・・だったのです。


迷うことなく西欧の芸術を楽しく学ぼうとした、

ルノワールが好きで
ムーランドラギャレットという作品を
60号のキャンバスに模写したのは、
まだ高校一年生の夏休み。


お祭りの様な華やかな野外の景で
木漏れ日の中で人々が楽しげに歓談したりダンスしたり・・・
有名な作品ですね、甘美な色彩世界に魅せられたからです。


セザンヌ、ロートレック、モネ、
ルオー、シャガール・・・・
ルノワールがすべてではなかった
けれども、自分の関心事はすべてに渡って
西欧優先・・・油絵こそ絵画でした。

当時45倍という難関だった東京芸大油絵科の受験に失敗。
度重なる浪人生活を過ごした上で
私学の東京造形大学へ・・・
思い通りにならなかった受験戦争は
その後もコンプレックスとして後を引きましたが

大学で出会った日本画には
生理的に即、気に入った!
臭くないし、すぐ乾く・・・
へー、こんな世界があったのか!!・・・面白い!と。


父の書棚にあった東山魁夷の作品集を観たり、
教科書で見た古典的日本画を博物館に行って観たり・・・
急速に日本画世界に心が向いて・・・
当時は茅場町にあった山種美術館にも良く通いました。
岡倉天心の著書を貪るように読み始めたのもそのころ・・・

まさか、自分が院展のメンバーになるなどと
考えても見なかった頃ですが、
内心の奥底に潜んでいた日本文化の核心に触れたいと言う
本能的なるものが疼きだしていたのだと思います。


しかし、その欲求はまだ曖昧
それほどしっかりしたものではありません・・・、

初めて師匠に連れられての海外旅行
プラド美術館で
フラアンジェリコ描く天使の陰影の美しさに言葉を失ったり、
先輩が食い入るように半日も眺めていたブラックゴヤに私もつられるように魅せられたり・・・・
石造りの都市美、見たこともない風景
・・・あらゆる文物に対する憧景が駆り立てられ
好奇心の虜となって、圧倒されたのでした。



まだ幼かった、とはいえ
物事の真実を見極める力がまるで育って無かった
・・・のです。
凡人だね・・・ぇ


宗教に呪縛されている絵画に感動したり、
目を見張るような写実力にオノノいたり、
質量の巨大さに圧倒されたり・・・・
恥ずかしながら
さんざん無駄な事を重ねてきました


日本人の殆どが未だ錯覚している様に
西欧文化に呪縛されたうえでの日本回帰であり、
神髄に触れる努力をまだ真剣には取り組んでいない状態・・・が長く・・・。




しかしぃーーこれからは本領発揮!
遠回りをしてきましたが・・・
今からでも決して遅くはありません、
これからはさらなる本気で
日本画らしい日本画を!

普遍なる美の核心を求めなければ・・・

文化とは日本文化のことを言うのであって
それ以外は文化とは言えないレベル

もう、目移りしたり騙されてばかりいないで
日本人としてのハートに
命をかけて・・・・忠実に・・・・




もっと、ずっと簡単に言えば
もうこれ以上日本の美味いものを

教えてやることはないのさ・・・



モッタイナイ!!





【日本画の真髄の最新記事】
posted by 絵師天山 at 16:59| Comment(0) | 日本画の真髄
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: