2015年09月04日

理想美術館 10  土佐光吉作 源氏物語屏風


土佐光吉画 【源氏物語屏風】

先々回のこの項では狩野探幽の源氏屏風を採り上げましたが
それに優るとも劣らない素晴らしい源氏屏風がこれ。


二人は江戸時代の絵師ですが、
土佐 光吉(とさ みつよし、1539年(天文11年) - 1613年6月22日(慶長18年5月5日))
狩野 探幽(かのう たんゆう、慶長7年1月14日(1602年3月7日) - 延宝2年10月7日(1674年11月4日))

生没年の差がおよそ半世紀、あり、
土佐派、と狩野派、
という元々の流派の違いもあり、
表現者として
解釈の違い、価値観の違い・・・
源氏物語、という同一テーマなのに
かなりの表現の差が表れています。

どちらが良い悪いではなくて、
どちらも相当楽しめるのに・・・
個性の違い、流派の違い、さらに
50年という時の推移ということにも関わって
その差が産まれているのでありましょう。


時、あたかも関ヶ原の合戦前後・・・
大きく世の中が動いていた時期に
二人の巨匠は活躍していました。
光吉は関ヶ原合戦以前に・・・
探幽は合戦後・・・の生まれ。


歴史は光陰の如く足早に流れ去るとしても
源氏物語を象徴とする【もののあはれ】
普遍なる心の内、人としての心情の不易なる面は
少しも変わらないけれど・・・
産まれ出た絵画としての表現方法は
ずいぶんちがう・・・


関ヶ原の合戦以後・・・・
落ち着きを取り戻してゆく世情に合わせるかのごとく
上品で完璧にオメカシし、
取り澄ました様な気品あふれる探幽作品に対して
光吉屏風は、【もののあはれ】の核心を衝いた
飾らない、素裸な美しさ・・
を醸し出しているように感じるのです。


完全メークの美女VSスッピン美女
・・・・!!!????



光吉源氏物語屏風、いずれも部分図です。





  IMG_9285.JPG

    桐壺




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     空蝉




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      夕顔




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      紅葉賀




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      花宴




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       葵




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       須磨




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         蓬生




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           関屋




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           絵合




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            朝顔




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             玉鬘




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           胡蝶




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            篝火




         IMG_9337.JPG

         野分




                 




                 




 
                 








パーフェクト美女も
勿論、宜しいが・・・

お飾りだけじゃないスッピン美女の方が・・・・























  


posted by 絵師天山 at 06:00| Comment(2) | 理想美術館
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