2015年06月03日

魅惑の百人一首 73   権中納言匡房(ごんちゅうなごんまさふさ)


【権中納言匡房】(ごんちゅうなごんまさふさ)

高砂のをのへの桜咲きにけり外山のかすみ立たずもあらなむ

   たかさごのおのえのさくらさきにけりとやまのかすみたたずもあらなん






            masafusa.jpg
             天山書画






高砂、は枕詞。
尾上、は をのえ で峯。
外山、は 深山 に対して人里近い山。
立たずもあらなむ、は 立たないで欲しいナァ・・・


内のおほいまうち君の家にて
人々酒たうべて歌詠み侍りけるに
遥かに山の桜を望む、といふ心を詠める
大江 匡房(おおえ の まさふさ)
と、後拾遺集に。

内のおほいまうち君、とは内大臣藤原師通、
内大臣のお邸で酒宴が催された折の題詠歌。


いわゆるお題があって、
それを基に競い合って楽しんだのです。
今でいえば、大喜利??みたいな・・・


大人気番組笑点・・の、ノリ。

先の行尊による桜の歌は深山幽谷に修行として分け入り、
思いもかけず見た山桜、だが
コチラは、華やかな都の真ん中、しかも酒宴で桜を想定しての詠。と、言うわけで、好対照とされて長く親しまれて来たのでしょう。

春の花見は外山から奥山へ
秋の紅葉狩りは奥山から外山へ
と言うのが現代にも続く自然な約束事。


洛北や洛東に桜が咲く頃には既に外山は咲き終わり、
霞がちな日和が続く・・・
と言う観念を踏まえて詠まれた処に妙味があるのです。


題詠は、与えられた題に従って読むので
当然、モチベーションは受動的。
だから、初心者には難しいが、ベテラン同士の詠いっこ?
となれば、超 面白くなってくる。

当意即妙、経験値もめいっぱい繰り出して
次から次へと溢れだすように詠み合ったのでありましょう。
その中の名作が、長く遺されることも・・・

題詠による歌合せでなければ出来ない作品が生まれるのですね。


女房達が女主人に代わって詠む代詠にも通じています。
宮仕えのインテリ女房・・・
紫式部 清少納言 和泉式部 赤染衛門 菅原孝標(たかすえ)の娘・・・等々
女主人の代わりとなって
儀礼的な挨拶を詠んだり
お礼を述べたり、
遠まわしに断りを伝えたり、詫びたり・・・
主人の魅力を総合的に演出するのがお役目。


作者 大江 匡房=権中納言匡房 は
博学多才で知られた学者様。
詩文家としての名声も高かったし
軍学や有職故実をも極めた碩学でありました。
代詠の名手でもある赤染衛門の曾孫に当たるのも
ナルホド・・・・・と頷けますね。


血はあらそえない
・・・・

後冷泉、後三条、白河、堀川、
四代の天皇にお仕えして大活躍
重用され正弐位権中納言大宰府権師(だざいふごんのそち)までになり
それ故 江の師(ごうのそち)とも呼ばれております。











posted by 絵師天山 at 10:54| Comment(4) | 百人一首
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