2015年03月24日

理想美術館 6   松岡映丘作 【春光春衣】


松岡映丘作 【春光春衣】





               eikyu2.jpg
                大正5年 160×70p






作者35歳の作品ですから早熟の天才画家と言ってよろしい。
日本画は含蓄の芸術とも言われ、
どこまでも奥が深いので、
ある程度の年齢を経ないとその人らしさが稔らない。
漸くその人らしい表現力が頭角を顕すのはだいたい中年にさしかかる頃・・・
天才肌の絵師でも30代40代に入らないと本格的な創作性が出てこないのが通例で、

勿論菱田春草のような桁外れの早熟なる大天才、という例外もあり、
奥村土牛の様に80歳になって代表作が生まれる大器晩成型もありますが・・・


松岡映丘(まつおかえいきゅう)は
明治14年、
兵庫県の医者の家系に八男として生まれ、
兄に民俗学で有名な柳田國男が居ます。
昭和13年56歳で没したので
画家としては長命を得ませんでしたが・・・・



生涯をかけて≪日本画らしさ≫を追求、
大和絵の復興こそ彼の最大の関心事でありました。
現代の自称日本画達が本当に学ぶべきは
こういう絵師の画業。
道半ばにして亡くなられたとは言え、
この作品の様に朗らかで明快なる作風であり、
少しのケレン味もなく
ただただ美しく芳しく心地よく・・・・
香気ただよう様・・・・
春風に吹かれる如し・・・・


春の一日
マイ美術館にこの絵を陳列し
極上の日本酒で一杯!!
肴は焼き蛤!
・・・・・って感じでしょ?


35歳という若さでこんな境地に達した事は素晴らしい!


大東亜戦争勃発直前
時あたかも皇紀2600年記念の年
国威宣揚の渦中にあり
時代の流れに抗うことが出来た最後の時期に亡くなられたので、
くだらない欧米風の影響がそれほど観られないことも
この絵師の業績を輝かせています。


ちょうどこの春に奈良県立万葉文化館で大々的な回顧展が開催されていますのでご紹介しましょう。


松岡映丘ー古典美の再興ー
柳田國男 井上通泰、松岡映丘ら松岡家の人びと
平成27年3月21日〜5月10日


           eikyuu1.jpg



東京美術学校の教授職を勤め
数多の弟子たちを育て、
それぞれが相当な活躍をしていますので
現代日本画壇の基礎を打ち立てた人といっても宜しい。

ホンモノの大和絵を学生に教える事が出来た
最後の芸大教授?であるかもしれません。


つい二三年前には東京でも回顧展が開催されました。

日本画らしい日本画がなくなりつつある現代
再び脚光を浴びるのも当然、というべきでありましょう。








posted by 絵師天山 at 05:00| Comment(3) | 理想美術館
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