2015年01月27日

理想美術館 3  藤原信実作 【三十六歌仙絵巻】断簡 斎宮女御



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    藤原信実作 【三十六歌仙絵巻】断簡、斎宮女御




藤原信実(のぶざね)は垂涎の師表的存在。
私にとって終ることのない師匠であります。
勿論現世では故今野忠一画伯こそ私の師匠でありましたが、
時空を超えた、師中の師は、この御方。


三十六歌仙には、五人の女性がおられまして、
小野小町、小大君、伊勢、中務、そして唯一の内親王殿下がコチラの斎宮女御さま。


小野小町は絶世の美女とされていますし、他の面々も勿論いずれ劣らぬ菖蒲か杜若・・・立てば芍薬座ればボタン、歩く姿は百合の花・・・とか・・・

唯一の皇族として殊に際立つ斎宮女御さまは、いったいどんな御方??

御存じない向きにまたまたうんちくを・・・どうぞ。

ウィキより

徽子女王(きし(よしこ)じょおう、延長7年(929年) - 寛和元年(985年))は平安時代中期の皇族、歌人。二品式部卿宮重明親王の第1王女(醍醐天皇の皇孫)。母は藤原忠平(貞信公)の次女寛子。朱雀天皇朝の伊勢斎宮、八歳にして三品、のち村上天皇女御となる(23歳)。斎宮を退下の後に女御に召されたことから、斎宮女御と称され、また承香殿女御、式部卿の女御とも称された。三十六歌仙および女房三十六歌仙の1人。



ホントに美しい絵です。

斎宮女御さまご自身が美しい御方であった故でありましょうが・・・・
モデルの美しさをこの作品に昇華した信実様のお手柄!!
しかも信実が生きた時代は平安末期から鎌倉初期・・・二百年以上も前の美人内親王様がこの斎宮女御でありました。・・・実は、逢ったことも見たこともない・・・・お相手。

この創意の素晴らしさに比べればモンナリーサも馬鹿らしいくらい霞む・・・段違い平行棒!!!


私の理想美術館にはなくてはならないのがこの佐竹本三十六歌仙絵巻全図であります。
全図と言いましたが、百歩譲って、女性三十六歌仙全図でも宜しい!!


佐竹本というのは佐竹藩が長年所有していたから付いた呼び名・・・で、佐竹藩というのは秋田県南部、由利あたりの大名で、かの本田正純の晩年を預かった事で知られています。
佐竹家は時代を紡いだ側、影の実力者でありました。
この絵巻を所有していたことだけでも、裏の立役者であることは明白!

・・・事実上の権力中枢。


時代は下って・・・大正の御代、
物質文明の寵児と目される財閥台頭時代・・・
この絵巻は財閥の頭目同志によって切断され・・・奪い合いに・・・

男モノの歌仙図で一億円!
女モノなら二億円!!!!

〆て四十億円!!!!

斎宮女御は、別格!四億!!!!!・・・とも言われ、くじ引きの結果・・・
益田鈍翁の手に!!
言いだしっぺの頭目の手に最高級品が入るのは・・・
ホント?八百長??


どっちでも宜しい!
それほどまでに騒がれた美術品は、日本の歴史にそうはありません。

騒がしい娑婆とはまるで無関係にこの絵巻断簡は存在し続け、
今日も尚、全く同じ光を発し続けているのです。

どうです!この美しさ、この品位!

品という言語はこの作品の為にある!
正に絶品!






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 藤原信実作 【三十六歌仙絵巻】断簡、斎宮女御 部分






琴の音に峯の松風かよふらしいづれの緒よりしらべそめけむ


慎み深い素敵な和歌が添えられて、琴の名手、・・・実は、控え目な御性格。・・・・それでも、娑婆では・・・・源氏物語六条御息所のモデルと言われている御方であります。















posted by 絵師天山 at 06:00| Comment(2) | 理想美術館
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