2014年09月22日

魅惑の春草 H 秋野美人 

いよいよ春草展が始まります!

今年最高の文化催事はこれ!!!

日本文化ここに極まる展示・・・・
私は、初日、朝から行ってきます。


コチラは・・・・


【秋の夜美人】   明治39年作  横山大観記念館所蔵




         IMG_1742.JPG




ちょうど、今頃の気配でしょうか・・・秋の夜長を過ごす和服美女・・・

左上のお月さまは、満月を通り過ごした、立待月・・・・

足元、周囲は萱、薄、女郎花・・・
僅かに月の光に照らされていますが、
佇む美女を引き立てるかのように・・・地味。

この作品は若干36歳で早世した春草のかけがえのない思い出として
盟友横山大観が、終生手放さなかった名品。

現在も大観記念館を飾る収蔵品の一つであります。

肩から背中への直線が、反対側の胸元から腕、裾への曲線と良く対比しており、
胸元、袖口、に覗く紅白の市松模様が鮮烈。

帯は藍色にさくら模様、浅黄色の呂か紗か・・・内着の模様が透けて
御彼岸頃の澄み切った夜長を心地よく演出しています。


虫の声が聞こえてきますか?

贅沢な余白があることで余韻が深く、気配さえ感じてしまう・・・

昨今ありがちな露悪趣味満載の描写しまくり似非絵画など
はるか彼方へ蹴散らしてくれるのであります!!!


暖色と寒色、曲線と直線、明と暗・・・・
反対の性質の昇華された結合によって、
要らざる説明を排除し、
面白いものだけをクローズアップ、
観者に快味だけ伝える力量。

院展現在の悪趣味的写実主義をあざ笑うがごとき・・・
当然こうで有るべき絵画・・・
なのであります。

日本的造形は和食と同じ。
うま味をいかに抽出して、いかに絶好のタイミングで提供し得るか!

そこに尽きる。

その典型が、菱田春草の作品群なんです。


後に春草よりも有名になった巨匠、大観も脱帽していた大天才です。




菱田春草展

会期  2014年9月23日(火・祝)〜11月3日(月・祝)

会場  東京国立近代美術館
    (〒102-8322 東京都千代田区北の丸公園3-1)
     http://www.momat.go.jp/

開館時間  午前10時〜午後5時(毎週金曜日は午後8時まで)
       *入場は閉館の30分前まで

休館日  毎週月曜日(ただし10/13、11/3は開館)、10/14(火)

主催  東京国立近代美術館、日本経済新聞社、NHK、NHKプロモーション

協賛  損保ジャパン日本興亜、大伸社

協力  旭硝子

助成  公益財団法人ポーラ美術振興財団

お問合せ  03-5777-8600(ハローダイヤル)




posted by 絵師天山 at 05:31| Comment(5) | 菱田春草
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