2014年08月15日

三島由紀夫【金閣寺】ブックカバー

コチラは新潮社の単行本 【金閣寺】三島由紀夫著 

発売当初のブックカバーです。



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こちらは文庫本

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この装丁デザインは、
私の師匠今野忠一画伯の手になるもの。


炎を抽象化したのでしょうか・・・?
鋭い感覚の冴えが輝きます。

一流の日本画家は、当然超一流のデザイナーでもあるので・・・・


人間は、意外なところで接点ができるもの・・・。

三島由紀夫夫人瑤子さんは、
杉山寧(すぎやまやすし・日本画家)と
母・元子さんの間に長女として生まれ、
川端康成氏の媒酌で見合い結婚しました。

杉山寧先生は、娘婿三島先生が金閣寺を書き上げた当時、
新進気鋭の画家として頭角を現していた
今野忠一師に、その装丁を推薦した、・・・

師匠と三島由紀夫氏が・・・・
合ったかどうかは、不明ですが、
先輩画家が、有望な後輩画家に依頼した、
そういう接点が、確かにあった。



この図は、つい先頃、
御恵贈下さった新刊本の今野忠一画集に掲載されていたので、
もう師匠は亡くなって八年も経つのに、
この新しい事実が初めてわかったのです。

迂闊にも私は、
尊敬する三島由紀夫氏の代表作を我が師匠が装丁していた事実を知りませんでした。


御恵贈下さったのは、師匠の長女様。
それは床しい、心の籠った手作り画集です。


まるで師匠が身近におられる様に感じ、
夏休みのひと時を十分に満たしてくださいました。

先生は山岳画家という定評があり、
申すまでもなく日本画壇の重鎮としてご活躍されましたが、

この画集の表紙は、山の絵ではなく、花の絵・・・・大輪の椿です。




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     カバーデザインは純白

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     表紙をめくると、
    地面に広げられた師匠のスケッチブックが


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     さらにめくると、表紙の椿の名画


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      紹介文の後に、自画像と奥様像の写生画


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       山岳画の傑作が続き・・・・
       コチラハ大英博物館所蔵です



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   名人芸の富士山も・・勿論沢山に加わり・・・



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   御尊顔を拝し・・写真家秋山正太郎の撮影・・・・



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       裏表紙にまたスケッチブック・・・・



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全く見事、小気味の良い鮮やかな壮丁!!

美しい、近頃こんな垢ぬけた図録はお目にかかれません。


三島の【金閣寺】の装丁の様に、やはり父親似。
長女様にも争えない血が・・・・

優れた感覚に酔い、一風の涼味を頂戴いたしました。

改めて、師匠に感謝!!




そしておそらく


憂国をたたえ、
日本国に殉じた三島の魂は、
今だ・・安んじることは出来ないでありましょう。
幾百万の靖国神社の英霊達と共に・・・・






       




【日本画の真髄の最新記事】
posted by 絵師天山 at 05:00| Comment(2) | 日本画の真髄
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