【竹取】
この作品は竹取と題して、第69回春の院展に出品しました。
50号のMサイズ。すこし長い四角です。
竹林の闇に光が射す気配と
月の揺り籠に抱かれている産まれたてのかぐや姫様
はげ!?
頭の毛は
生まれたたての赤ちゃんはたいてい解らないくらい薄い
禿げてはいないけれど、
ごく稀に黒々した赤ん坊も居ないではありませんが
こんなに立派なはげ・・・は・・・
月の世界から地球の竹林にイキナリ顕れて
三ヶ月で成人する・・・
つまり、人間よりも美しいが人間では・・・ない・・・
宇宙人みたい、だから、始めは毛が無い方が可愛い?
と思ったので、・・・こう、描きました。
産着も工夫して、
亀甲紋様の地に向い蝶の丸紋・・・
とし、・・・立体感をわざと無視。
新月の細い月の輪に産着を纏った姫を
上手く嵌めようと・・・・
竹林の重厚な暗さは、より神秘感を深める様に・・・・
元光る竹なむ一筋ありける
三寸ばかりなる人
いと美しうてゐたり
この稚子
麗はしき事世になく
屋の内は暗き処なく光満ちたり・・・・
心地悪しく苦しき時も
この子を見れば苦しき事もやみぬ
腹立たしき事も慰みけり・・・
御存じ竹取物語冒頭、
かぐや姫の生い立ちであります。