2018年12月04日

あはれ・をかしの物語展

展示最終チェック・・・・




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照明、配置、高さ、間隔・・・・
それぞれに会場を盛り上げ・・・・


いよいよ明日開幕です!

【あはれをかしの物語】高橋天山日本画展

日本橋三越本店6階特選画廊
12月5日〜10日
8日午後二時よりギャラリートーク
語り部 かたりすと 平野啓子氏が竹取物語を語って下さいます。


御来場お待ちしております。




posted by 絵師天山 at 15:51| Comment(0) | あはれをかしの物語展

あはれ・をかしの物語展

平成30年12月5日〜10日
日本橋三越本店6階特選美術画廊にて
【あはれをかしの物語】個展





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          【末摘花】



紅花の古名は、末摘花、すえつむはな・・・・と読みます。
紅藍、ベニアイ・・・とも呼び、久礼奈為、・・・・と書いて
クレナイ・・・と読む。万葉仮名ですね。


末摘む花、と呼ぶのは源氏物語に出てくるくらいの昔。
クレナイ・・、と呼ぶのは、もう、どのくらい前か分からないくらい昔から・・・

紅色の美しさに圧倒された女性が命名した・・・
のではないかと、思うのです。

超欲しィ!!!・・・
クレナイ?・・・・
の・・・


久礼奈為という漢字を当てたのはそんな昔じゃあなく
漢の文字が移入されて
従来のヤマト言葉に字を当てたら
・・・・こう、なった。


ホントに美しい。
画家として、この美しい色が出せなきゃ!?
・・・・・・出せれば大したものだが、
相当する絵の具は無く、
近い感じの色味を出すのさえ難しい。


輝くような、ほのめくような、澄き透るような紅色。

山形県の特産物です・・・、
紅花の畑もキレイ。7月1日に必ず一輪咲く。
これは実に不思議、広ーーーい畑を探すと
必ず気の早い一輪咲きに出会う。

咲き始めは黄色だが、日ごとに紅色に近づく
殊に花の芯から紅がにじみ出したような
朱に染まる黄色を楽しめる
ガクや葉に棘があって触れるとチクチク痛い
それを我慢して花を摘み取って紅モチに加工・・・


紅モチに加工するのには
大変な熟練の技と手間がかかり
出来あがった紅モチは
同じ重さの金よりもズット高値がつく。

大量の紅モチが無いと
紅染めは出来ない・・・・、一反の生地を染めるのに・・・

畑で種蒔きする所から、反物に染め上がるまで
それはそれは・・・深く長い道のり。


紅モチを溶かし出した溶液を頂いたことがあって
少し濁った紅色の半透明の液体・・・
それを、
胡粉の地塗り・・・美しい白さに溢れた、
真っ白な画面に塗ってみた・・・
塗り重ねるごとに紅色が濃くなってゆく
が、乾いて後、何日か経つと
紅色が黄褐色にトーンダウンして行く。
綺麗とは言い難い・・・・


紅染めの衣装は古来
日光には当ててはいけない・・・・・モノ


陽に当てると紅色が消えてなくなる・・・・

あああーーー
紅の御衣装は
深窓のお姫様のみに与えられた特権だった・・
外出する必要のない人・・・だけのモノ・・・

パンピーにとって
それはそれは残念な、・・・貴重な、
この世で最高の・・・・美しい色・・・・


なのに、末摘花と呼ぶ。

末に摘み取るほどオヘチャ・・・?

簡単に言えば、

ブスには誰も声を掛けない
・・・女性の美醜を語れば、
末代まで祟られるのに・・・
ブス!と言わずに、末摘花・・・
と言い換えたのは、日本人の美意識。
思いやり・・・


しかも、ホンモノの末摘花は、
実は
最高の色彩の元ですから・・・・・!!!


もののあはれ、ここに極まる。







posted by 絵師天山 at 01:00| Comment(0) | あはれをかしの物語展