日本橋三越本店6階特選画廊
【あはれをかしの物語】個展出品作品より
【故郷】
部分図
“うさぎ追いしかの山 小ブナ釣りしかの川 夢は今も巡りて・・・・・・”
うす霞む青空、紫色の山並み、山桜の白、そして緑。
春の里山は淡やいだ色彩の共演、名ドラマ・・・・・・
【秋映】
神々しいまでの紅葉、写しだす山湖の名水。
繰り返し描いてきたテーマであり、紫色にけぶるみちのくの深い秋を想います。
【ゆく蛍】
どうかするとたいそう暑い日もある初夏の宵。
谷間を埋め尽くす合歓の花房もしっとり湿って、はんなりと蛍火に浮かび上がる・・・・
“くれがたき 夏の日ぐらし ながむれば そのこととなく ものぞ哀しき”
部分図
【源氏物語・花散里】
様々な心労が続き、世の中をもの憂くばかり思われる光の君。
御忍びで出かけた中川のほとり、かつての恋人が弾く琴の音に魅かれ邸を望むけれど、答えはなく、
いつも優しく大らかに迎え入れてくれる花散里をなつかしく思うのでした。